グンデストルップの大釜のタラニス
タラニス(Taranis)
タラニス(taranis)は天空を支配する雷神です。太陽の神でもあります。
気性の荒い戦いの神で、人間の血が好きで生け贄を求めていました。
戦争、死、炎を司っています。
「井村君江 著 ケルトの神話 女神と英雄と妖精と ちくま文庫」によれば、他の古代ケルトの神であるエスス・タラニスとは三位一体の神として、太陽と光、あらゆる技術の神である「ルー」に集約されていると書かれています。
名の意味
ケルト祖語(そご・・・ケルト人の言葉の共通の祖先)ではTranos(雷)、ガリア語ではtaran(雷)で、これらが語源では無いかといわれています。
神への生け贄
タラニスへの生け贄は、木の洞(うろ)に入れられた後、火をつけて焼きころされます。
タラニスへの生け贄の捧げ方には有名なものがあります。
ウィッカーマンと呼ばれる木の枝の編み細工(wicker)で作られた巨大な人型の内部に、生け贄となる人間を詰め込み火で焼き殺す、という方法です。
罪人を殺せば神々が喜ぶと言われており罪人を優先して捧げていましたが、カエサルの「ガリア戦記」によると、罪人が足りなかったら罪の無い人々でも無理やり殺していたそうです。
これは18世紀ごろに描かれた想像図ですが、かなり大掛かりな物ですね。
しかしいつ見てもウィッカーマンの顔で笑ってしまう……。
右下にドルイドっぽい人がいますが、ドルイドが生け贄の儀式に関わっていたとされる確たる証拠はまだありません。
宗教的儀式なので関わっていそうですけどね。
あ、ウィッカーマンを題材にした映画もありますよ。
昔の1973年やつと2006年のニコラス・ケイジ主演のリメイクがあります^^
タラニスと車輪
タラニスにはシンボルがあります。それがこの神像の左手に持っている車輪です。
車輪は太陽のマークであるサン・クロスと呼ばれるものです。
雲の中を駆け抜けた彼の車輪は恐ろしい喧騒を放っていたといわれています。
ベルギーのガリア人の聖地ではタラニスへの奉納品の車輪が数千個見つかっています。
ローマから見たタラニス
ローマのユリウス・カエサル 著 「ガリア戦記」には古代ケルトの神を、性質の似ているローマの神々に当てはめて説明しています。
それによると、タラニスに対応した神はユピテルですね。
新しい情報が入り次第追加します。