CC-BA-SA QuartierLatin1968 Wikipediaより引用
エポナ (Epona)
エポナ(Epona)は馬・ロバ・ラバの女神です。
古代において馬は、戦いの道具であり、上流階級の武人の財産、権力の象徴でした。
また、馬の強い繁殖力が豊穣と多産のシンボルとして、ケルト人以外にも非常に広い地域で崇められていました。(ブリテン、ヨーロッパ全域や北アフリカ等)
特にフランス東部のブルゴーニュ(英名でバーガンディ)で多くの出土品・痕跡等があり、信仰の中心地であったと考えられています。
元々は馬の姿だったのですが、古代ローマなどの影響や多産や豊穣のイメージもあり、しだいに女性の姿にかわっていったと言われています。
ケルト人にとって馬は宗教の儀式や、戦い、日常生活や交易まで様々な面で重要な役割をもっていたのです。
名の意味
ケルト言で馬の意味である「Epos(エポス)」から来ていると言われています。
ローマに受け入れられたエポナ
ローマでも馬は重要だったので、馬の女神であるエポナは馬や乗り手の守り神として騎兵の間で人気が高かったようです。
そしてケルトの神としては唯一ローマに取り入れられ、ローマの宗教暦では12月18日がエポナの祝日であると定められています。
女神の姿と司る力
エポナの神像には複数バリエーションが見つかっています。
基本的に馬と女神がセットでいるのですが、雌牛に横向きに座った姿で描かれているものや、2体の馬の間で穀物類を持った姿、金属の皿や籠にのせた穀物を仔馬に与えている姿などが確認されています。
エポナは馬の女神ですが、バーガンディ(フランスのブルゴーニュ)辺りでは横座りの像が一般的で家内安全や繁栄、富を守る女神として信仰されていました。また生と死も司るとされ、死者を見守り魂を安全に導く女神でもあります。
手に布(マッポ)を持っている像も存在してます。ローマでは戦車競争がスポーツとして人気があり、戦車が繋がれた馬がスタートする際に合図としてマッポと言う布が落とされます。
マッポが始まりを意味しており、生まれから死までの一生を司る神と考えられています。
またエポナは泉の女神でもあります。泉の女神として描かれる場合は癒しや死の象徴の意味を持つカラスや犬といっしょに描かれ、馬はいません。
そしてエポナは死者の魂を別世界へと導いてくれる存在であると考えられています。
他の女神との類似性などから同一視されて要素が混じっているせいなのか、調べれば調べるほど色々出てきます。広範囲に及ぶ信仰が原因ですかね……。
しかし馬の女神と多産・豊穣の女神という事だけは確実なようです。
これほど様々な信仰が広範囲で見られるのは、やはり馬というものが古代の文化において非常に重要な存在である、という事を教えてくれます。
もっと色々調べてみるので、また新しい情報が入り次第追加します。