古代ケルトより受け継がれし神秘のデザイン 「トリケトラ」

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ケルト模様-トリケトラ

こんな模様を見かけた事はありませんか?

結婚指輪やネックレスのデザインなどにもよく使われ、アメリカのセレブ達にも人気です。

実はこれ ケルト模様(もよう)※ と呼ばれていて、古代ケルト人が使っていたんですよ!

文様(もんよう)・紋様(もんよう)などとも書かれていますが使い分けるとややこしくなるので、このブログでは 模様 で統一してます。

ケルトって聞いたら調べるしかないだろうが……、というわけでさっそく調べてみました。

トリケトラとは

トリケトラ(Triquetraは古代ケルト人が好んで使用していたデザインで、様々な出土品にも描かれています。

トリケトラはケルティック・トリニティ・ノット(ケルトの3つの結び目)または単にトリニティ・ノット(3つの結び目)とも呼ばれ、ラテン語で「3つのコーナー」という意味を持ちます。

ケルト文化の司祭であるドルイドの宗教の儀式や、装飾、遺跡などにも描かれています。

ドルイドについてはこちら

ケルトの文化における重要な要素の一つとして、空・海・大地があります。

古代遺跡の発掘中にも太陽と月の上に描かれたトリケトラが見つかっているので、重要な要素であった空・海・大地を象徴しているのかもしれません。

しかし、ケルト人が「実はこれ、こういう意味で使ってたんやで?」なんて詳しく書いてあるものが残って無いのでよくわかってません。というのも、キリスト教が入ってくる4世紀ごろまでのケルト民族は、文字を持たない文化だったからです。

キリスト教が入ってきた4世紀ごろ以降は、ラテン文字の影響を受けて出来たとされる「オガム文字」と言う言語を使用しています。

このオガム文字は5世紀から6世紀ごろに頻繁に用いられており、特にドルイド達が儀式などに使う神聖な文字として利用されていました。
そういうわけで、現在では様々な意味を与えられています。

このデザインは「三位一体の結び目」としても知られており、キリスト教による古代異教徒のケルトのイメージに適合した宗教的シンボルとして使用されています。

アイルランドの国宝である、ケルト三大装飾写本「ケルズの書」「ダロウの書」「リンディスファーン福音書」にもこの模様はいっぱい描かれていて、世界で最も美しい本と呼ばれています。

インクは顔料が使われていたようですね。

リンデスファーンの福音書
「リンデスファーン福音書」よりマタイによる福音書序章

なんともセンスあふれる美しい模様、美しい色使いですね。

トリケトラの種類


トリケトラ

基本の形であるトリケトラ

トリニティ・ノット(3つの結び目)とも呼ぶ。

3つの模様がくっついているのでは無く、1本の線で描かれた模様です。

心、体、魂(精神)生命、死、再生などの意味があり、これらが中和されてバランスを保つという、秩序の表れの模様です。

自然崇拝のケルト人の「転生」などの概念の象徴としても使われます。


ダブル・トリケトラと呼ばれる模様。

基本的な意味は1本線のものと同じですが、線が2本になることにより組紐が強調されたデザインです。

こちらは1本線の物より、神秘性が強くなっています。


サークル・トリケトラ

トリケトラに円が組み込まれたデザイン。

円が組み合わさる事で永遠という概念が追加されており、3つの力の組み合わせを強調しています。

キリスト教では 三位一体 ( 父 、 御子 、 聖霊 )のシンボルとして使用されているので、見た事がある人も多いのではないでしょうか?

日本に存在するトリケトラ

なんと日本固有の紋章である家紋トリケトラが存在しています!

世界的に見ると類似の模様は多々あるのですが、もうそのままでした。

とりあえず見ればわかるのでどうぞ!

結び三つ柏

どう見てもトリケトラだなー

これ、結三柏(むすびみつがしわ)って言うんだそうです。

落語家 桂一門などの定紋になっているみたいですね。

そんなわけ無いと思うが、桂一門はケルト民族の血を受け継ぐ者だったのか……?

偶然似てしまっただけでここまでそっくりにとか……そんな……あるんすか?

ケルトと日本との関係も今後調べていきたいですね。

現代のトリケトラ

現代ではデザイン要素として様々な物や芸術に使用されています。

スコットランドの共和党社会主義運動の旗だとか、有名なゲーム The Elder Scrolls IV:Oblivionアサシンクリード」などでも登場しており、Call of Dutyシリーズの開発会社であるTreyarchは会社のロゴマークに使っています。

装飾品でも人気で、その神秘性や永遠などの意味から結婚指輪などのデザインにも使われています。

調べて見てみたらすごくオシャレなリングでした。

ケルト模様を使ったジュエリーについてはこちら

古代ケルト人のデザインセンスは現代でも通用してますね。

最後に

実はトリケトラなどの模様はケルト人が先に使っていたのか、聖パトリックによりケルト人をキリスト教に改宗させるために使用されだしたかが分かっていない……。

なので、「確実に古代ケルトの物だ!」といえないんです……。

でも、ケルト好きの僕としては古代ケルトが始まりということで、ここはひとつお願いしたい。

他にも模様はあるので、また紹介していきたいと思います。

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