アイルランドの老舗ティンホイッスルメーカー「Waltons」

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出典:Waltons Music

Waltons Music社 公式ホームページ(英語)・・・https://www.waltons.ie/

Waltons(ウォルトン)

1922年にアイルランドで設立されたメーカーでティンホイッスルバウロンハープ等を作っており、様々な教本やDVDを製作してます。
ティンホイッスルに関しては低価格の量産品を製造しており、始めての人やとりあえず試してみたい人も手に取りやすいメーカーです。
日本語で書かれた初心者向け教本が付いたティンホイッスルセットがあるおかげで、日本の楽器屋でもたまに見かけます。

2005年にはアイルランドで最大級のオンラインストアをオープンしており、日本からでも購入可能。 自社で製作したもの以外にも様々なメーカーの楽器や教本、CDやDVDなんかも取り扱っているので、このオンラインストアだけでアイリッシュミュージックで必要な物は全て揃います。

以前はアイルランドの首都であるダブリンの中心部「South Great George’s Street」に店舗がありました。この店舗は、アイルランドの映画「Once ダブリンの街角で(原題…Once)」でも重要な場所として登場してます。

しかし、2018年に店舗が移転。ダブリン中心街の地価の上昇や店舗での販売不振により、ダブリン郊外にある「Blanchardstown Centre」というショッピングセンターの中に移転し営業してます。

気になるティンホイッスルですが、品質に若干のばらつきがあります。過去の生産分に不具合が多いようですが、最近はかなり良くなりました。
よほどのハズレに当たらない限りそこまでヤバイ物は無いと思いますが、購入の際には若干注意が必要です。

製造しているティンホイッスル

製造しているホイッスルは全てが量産品。職人の手作りには程遠いが演奏するのに支障は無い。
使われている材質などで音色は変わってくるので、自分の好みの一本を見つけよう!

というわけで、製造しているホイッスルをチェック!

Brass(真鍮)製

スタンダードとメロウ

大量生産の低価格帯ティンホイッスル。

円柱形の管体は真鍮で、頭部管はプラスチックで出来てます。

真鍮製は二種類あって、管体の太さが違う「スタンダード」と「メロウ」が存在します。
スタンダードはメロウより管体が細い分、少しの息で演奏可能。
メロウはスタンダードより管体が一回り太い分、通常より多くの息を吹き込まないといけません。しかしスタンダードよりも力強い音がだせます。

公式オンラインストア以外で購入する場合、スタンダードなのかメロウなのかよく確認してから買いましょう。ぱっと見ただけではほとんど同じで分かりにくいのですが、管体に張ってあるシールにMellowと書いてあればメロウです。

メロウについて詳しくはこちら

他のメーカーで作られたホイッスルは吹き口の周囲が丸みを帯びているモノが多いです。でもWalton社製のホイッスルの吹き口は少し角張っています。

気になる人も居るかもしれませんが、僕は演奏していても特に違和感は感じませんでした。

音色はやわらかく、温かみを感じさせてくれる。真鍮製の素朴な音色が好きという人も多いと思いますが、こいつは雑音は少なめですが個性も少ないので他の楽器に埋もれる事もしばしば。

しかしながらかなり安く手に入る(1,000円前後)ので、使い倒して練習する用にはかなりいいと思います。

製作にかかわっている人達には申し訳無いが、壊れても心が痛まないのでかばんには常に入れっぱなし。外で隙間時間の練習用にしてます。

ウォルトンの真鍮製の管体は表面がメッキによりコーティングされているので、表面は中々サビ無いです(内側はメッキ無しの為サビます)。
しかしメッキが取れてきてしまうとやはりサビが出てくる。
サビが気になる方は市販の金属磨きを使って綺麗にしよう。管体には社名やKeyが書いたシールが張ってあるので、はがさないと全体を一気に磨けません。シールをはがしたくない人は磨くとき要注意
また、表面のメッキは強く磨くとはがれる恐れあり。気をつけよう!

Rainbow(レインボー)

出典:Waltons Music

真鍮製スタンダードモデルのカラーバリエーション。

色以外は特に変わりないので、好きな色のホイッスルを買おう!

プレゼントにもオススメだ!

Nickel(ニッケル)製

出典:Waltons Music

管体の材質がニッケルになっただけで、マウスピースの形や管体の太さなどは真鍮製と同じです。
なお、ニッケル製にはスタンダードモデルしか無いです。

音色は真鍮製より鋭い音が出せますが、澄んだ音色って言うほどではない。でも真鍮製に比べるとクリアな音が出るので、こちらのほうが良いという人もいることでしょう。
購入前にYouTubeなどで聞き比べて吟味しよう。

真鍮製と値段も変わらないので、どっちを買うかの判断基準は音色のみで十分か。

マウスピースの色違いで赤・青・黒の三色があります。管体は同じなのでシルバーです。

Aluminum(アルミニウム)製

アルミニウム製にはLittle Black(リトルブラック)Guinness(ギネス)の2種類が有ります。

Little Black(リトルブラック)

リトルブラックは軽量のホイッスルです。
ティンホイッスル自体は定番のDキーだと小さいし元々軽いのですが、リトルブラックは素材が軽いアルミニウムで出来ており、さらに薄型になっているので重量は約18グラムと非常に軽い
長時間持ってても疲れません。

音色はニッケルに比べて穏やかでやさしい印象で、よく言えば軽快な音、悪く言えば薄っぺらい音です。
音に厚みはあまり感じませんが、この音色が特徴なので好きな人にはたまらない音色かと思います。

薄い分強度が低めなのでやさしく扱ってあげてください!

現在はアルミニウムで製作されていますが、どうやら過去には真鍮で製作されていたという情報もありますので、購入の際には気をつけましょう。

Guinness(ギネス)

アイルランドのギネスビールをイメージして作られたティンホイッスルで、マウスピース部分がホワイト、管体部分がブラックのビールカラーです。

音色などはリトルブラックと大差ないです。

公式オンラインストアから消えたけど、もしかして生産終了した?
公式以外なら在庫がのこってるところもあるかも知れませんが、国内大手ネットショップには見当たらず。

個人的感想

クラーク、ファドーグ、ウォルトンといえば、低価格量産品メーカー御三家。
でも一昔前のウォルトンの評価は、僕の中ではかなり悪かった。

かつてクラーク、ファドーグと手に入れた僕は「次はウォルトンも買って低価格帯ティンホイッスルを制覇してやるぜ!」と意気込み、真鍮製のスタンダード・モデルを手に入れたんだけど、どうやらやばい生産ロットの物らしいこいつは・・・狂っていた

素人に毛が生えたレベルの当時の僕が見ても、品質が低い・・・。
ピッチがちょっとおかしい気がするのは、まぁこんなもんかと広い心で許そうじゃないか

でもマウスピースにヒビが入ってるのと、バリだらけなのはどうなってんだ?しかも指穴回りに金属の小さな突起があって、指に当たって微妙に引っかかるし気になるんですが?

てな具合で散々だったのでネットで色々調べてみたら、やっぱり色んなとこで低評価の嵐。

「ティンホイッスルデビューしようとしてる人が、もしこれを購入してやる気がなくなってしまったらどうしてくれるんだよ!?ウォルトン!!」



そして月日が流れ2019年、そろそろ試してみるかと新たに購入してみたら・・・品質抜群に進化してました。
マウスピースもしっかりしてるし、バリもない。管体も抜群だ!

どうやら品質が大幅に改善されたようで、僕の中での評価は大いに向上しましたよ。
一昔前なら買わないほうが良いと書くところですが、現在製造されている2015年以降の製造モデルからは初心者に安心してオススメできるメーカーに戻りました。

ニッコリと白い歯を見せてすっかり気に入った僕は、最近こればっかり吹いてます。

みんな~僕たちのウォルトンが帰ってきたよ~!

他にもあるぞ!世界のティンホイッスルメーカ一はこちら↓

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