この模様は有名な書物である「ケルズの書」や「リンデスファーンの福音書」などの装飾にも使われたり、ローマ帝国でも床や壁などのデザインに使われていました。
アイルランドはもちろんの事、ヨーロッパの各地で見る事ができます。
世界的にも人気があるので、探せばいたるところで見られるはずです。
今回はこの「ケルティック・ノット(Celtic knot)」と呼ばれる模様を紹介します。
ケルティック・ノットとは
こちらが基本的な形の「ケルティック・ノット」で、線状の結び目です。
今ではいろいろな物や場所で見かけることがあるので、似たような模様を見たことがある人もいることでしょう。
この模様は一本の紐で出来ていて、始まりと終わりが無いのが特徴です。この形を基本に、そこから様々に変化した模様が存在しています。
基本的な形状
ケルティック・ノットの形状にはかなりの派生があるのですが、とりあえず基本的な形状である円形のサーキュラー・ノットと、四角形のスクエア・ノットの2種類を紹介します。
サーキュラーノット
円形に作られたケルティック・ノットです。
終わりが無い模様がさらに円の形になることで、永遠や調和の意味が強く出ています。
結婚指輪とかに人気のデザインなので、日本でも比較的目にする模様だと思います。
派生するデザインは星の数ほど存在しますね。
スクウェア・ノット
四角よりのデザインの物はスクウェア・ノットと呼ばれます。
守護などの意味があり、戦士の盾などによく描かれていた事からシールド・ノット(丸い盾の模様もある)とも呼ばれます。
その意味から、家の門や外壁、魔よけのお守りにもなってます。
派生するデザイン
丸型と四角型が基本としてそこから様々なデザインが出来上がってます。
現代でもいろんな国の人たちが作ってるのでその数は膨大です。
これは花びらですかね。綺麗な模様だなー
これは車輪ですね。すごく細かい!
ケルト文化における車輪は太陽の象徴であり、太陽崇拝のシンボルとなってます。
他にも色々なデザインがあって、見てるだけで飽きないなー。
ケルティック・ノットが持つ意味について
ケルト人達は文字を持たなかったので、全ての知識を口承(こうしょう)で、つまりは語り聞かせて受け継いできました。当然、書物もほぼ無いので記録も残っていません!
なので、残されたシンボルや他の国からみたケルトに関する記述(有名な物ではガリア戦記)などを後世の研究者や芸術家などが推測して、意味が与えられてきました。
込められた意味
始まりも終わりも無いこれらケルティック・ノットには「永遠」や「魂の循環」などの意味が込められているとされており、円形の模様になるとそれらの意味が強く出てきます。
ケルト人の宗教観には輪廻転生があるので、こういった意味が込められていると信じられています。
最後に
その見た目や意味などで、アクセサリーとしても人気の高いケルティック・ノットは、アイルランドではもちろんの事、日本でも人気です。
ケルトが関係しているとは知らずに買っている人も多いと思います。
普段何気なく目にする場所をちょっと注意してみてみれば、意外な所にある……ケルトの魅力は世界共通です^^
それと、ケルティック・ノットはケルト系キリスト教の建造物や写本などにたくさん使われていることでもよく知られています。(ケルト十字など)
ケルト民族を追いかけていけばキリスト教も関係してくるので、今度はケルト十字も調べなくちゃいけませんなこれは。