改造のすすめ
安いティンホイッスルには当たり外れがあるんです。僕も経験があります。
でもハズレだったとしてもまだ手はある!
そう、改造だ!
というわけで今回は、簡単に出来る「チューニング不可能な笛をチューニング出来るようにする」事からやってみましょう。
ちなみに、チューニング可能な事を tune(チューン…旋律・整備)と abel(エイブル…できる)で Tunable(チューナブル…調整可能)といいます。
改造の注意点
改造するにあたっての注意点はひとつだ。
失敗したらあきらめて買い換えよう!
でも失敗の危険性を乗り越えれば、安い笛が何段階も進化していく!
改造は全て自己責任で行いましょう。壊れても泣かない。
以下の方法で損害が発生しても、当サイトでは責任を負いかねます。
一部の笛には熱に弱いものやお湯くらいじゃ取れないほど硬いものがあります。
お使いのホイッスルをよく調べてからやりましょう。
GenerationやSweetoneは安くて簡単にできますが、Feadogの一部モデルはめちゃ固いので気をつけてください。
ケルトの笛屋さんによると、Oak製やAcorn製は熱に弱く頭部管が溶けやすいそうなので注意してください。
ステップ1 笛の準備
チューニングできるように改造するにはこの画像の笛のように、頭部管と管体が分かれている物でないとダメです。
下のような一体成型加工の笛では出来ません。
ステップ2 お湯に浸ける
笛の準備が完了したら、お湯を準備します。
お湯の温度は大体40度くらいで、沸騰してたり熱すぎるとプラスチックの頭部管が溶けてしまったり、割れやすくなったりする可能性が高まるのでダメです。
舌をやけどしないレベルの熱いお茶くらいの温度がいいかな。
お湯に浸ける事によって、頭部管と管体の接着剤が緩みます。
お湯が出来たらマグカップでも何でもいいので、お湯を注いで笛を突っ込んでください。
- 10秒から20秒くらいお湯に入れてから1回出します。
- 頭部管と管体を持って左右にねじりながら抜いていきます。
- 取れなかったらもう一度浸けます。
- 以降取れるまで繰り返します。
全然取れなかったらちょっとだけ温度を上げてみてください。ちょっとですよ?
上げすぎると頭部管へのダメージが大きくなるし、ウインドウェイやエッジ部分がやばいので。
頭部管が取れたら次のステップへ行きます。
ステップ3 接着剤を拭き拭き
上手い事取れたら水分と一緒に接着剤を拭き取りましょう。
管体の先端部分と頭部管の中も拭いてください。
拭き取れたら管体の先端部分(頭部管が刺さってた部分)にジョイントグリスを塗ります。
ジョイントグリスはリコーダー用の物で大丈夫です。300円あれば買えます。
グリスを塗らなくても別に大丈夫ですが、何度も動かす部分ですので傷みが早くなります。
なので出来ればジョイントグリスを塗る事をオススメします。
ステップ4 取り付けて完成!
とうとう完成の時が来ました。
頭部管と管体を手に持って、ゆっくりはめて行きましょう。
……はまりましたか?
上手くはまったらチューナブル・ホイッスルの完成だ!!
これで他の楽器にも合わせることができます。
安いティンホイッスルが少し進化しましたね!
しかし改造に終わりは無い……。
君達が手に持つティンホイッスルは、まだ数段階もの変身を残しているのだ……。
外伝 クラーク社の Sweetone を改造する時の注意!
Sweetone はいい笛だ。安いし、大量生産の品なのに安定している。
でも安いからって力任せにチューナブル化しようとしてはいけない。
Sweetone は一枚の板を丸めて裏で溶接している構造になっている。そのため、裏にちょっと段差があるんですよね。
こんな感じ↓
頭部管にはこの段差部分に触れている箇所に一番力がかかるので、ここから割れやすいんですねー。
なのでお湯に浸けた後は左右にねじらずに上下に引っ張ってください。
じゃないとこうなるよ^^
お湯に浸ける時間が短すぎたっぽいけど、「オラァッ!」って力いれたら、やったわ。
みんなは僕と同じ過ちはしないでくれ!
改造は時にこんな悲劇を生む事もある危険な行為ですので、自己責任でどうぞ。