ティンホイッスルについて

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Generation製 ティン・ホイッスル(ニッケル)

ティンホイッスルとは

ティンホイッスル(Tin Whistle)はアイルランド生まれの楽器です。

主に伝統音楽やケルト系音楽といわれるジャンルでよく使われます。

アイルランド語ではファドーグ(feadóg)、ファドーグ・スターン(feadóg stáin)と呼びます。

直訳すると Tin(ブリキ)Whistle(笛)で、ブリキの笛という名前の通り、元はブリキを丸めて溶接した単純な構造の物で、単純ゆえに非常に安価で販売されていました。

現在では真鍮・アルミ・プラスチックなど様々な材質の物が存在します。もちろん材質によって音が変わってきますので、お気に入りを探すのも楽しみの一つです。

 

 

1. ティンホイッスルの構造                

 

指穴は6つしかなく、息を吹き込むだけでリコーダーの用に簡単に音を出すことができます。しかもリコーダーよりも簡単な運指(指の使い方)です。少し練習すれば簡単な曲であればすぐに吹くことができるでしょう。

弱く吹くと低い音が出て、強く吹くと1オクターブ上の高い音が出ます。出せる音域は低い音から数えて約2オクターブ半で、それ以上は演奏には耐えられないレベルの音になります。

ティンホイッスルには吹き口と歌口がついている頭部管と指穴が開いている管体が存在しており、それぞれが別パーツになっているものと両方が繋がっているものがあります。

 

1-1 調(キー)

ティンホイッスルには様々な調(キー)が存在してます。DのキーならD管、GのキーならG管といった感じで~管と呼びます。

 

アイルランド伝統音楽では基本的にD管を買えばほとんどの曲が演奏可能です。ティンホイッスルは移調楽器(運指そのままで持ち替えるだけで別のキーの同じ曲が吹ける)なので

もしD管で演奏できない曲が吹きたくなったら、別のキーのティンホイッスルを買いましょう!

 

1-2 チューニング

楽器を調律して音程を合わせる事をチューニングと呼びます。

一部のティンホイッスルを除いて、基本的にチューニングはできません。

しかし、頭部管と管体が接着剤で取り付けられている物については改造することによってチューニング可能にできるものがあります。

チューニングスライドがついているものは少し値段も高くなる傾向があります。

 

1-3 材質

ティンホイッスルには様々な素材で作られた物があります。

金属やプラスチックや木などがありますが多いのは

  • ニッケル
  • アルミニウム
  • 真鍮(しんちゅう)
  • プラスチック

これらが特に多いです。

素材によって音が変わってくるので始めて買う場合は、YouTubeなどの動画サイトで音の確認をしてから買うのがオススメです。

 

2.価格について                       

 

大量生産の安いものでは1500円前後で購入することができます。 アイルランドに行けば5ユーロ(約630円前後)ぐらいで買えます。安い……。

 

安いからといって質が悪いものばかりではなく、プロが使っている物もあります。

しかし大量生産品なので個体の品質にばらつきが有り、当たり外れが存在します。(特にGeneration製に多い)

音階が狂っている物や、凄く良い音色を奏でるものなど様々なので少し注意が必要ですね。

 

高いものは職人の手作りで、2~3万円前後からプロがよく使っているレベルのものが手に入ります。

しかし手作りの物は流通量に限りがあるので、欲しい時にすぐに手に入らない可能性もあります。中古品を探すという手もありますが……。

 

3. 伝統音楽の練習                         

 

アイルランド伝統音楽は口承で伝わってきたので基本的に楽譜がありません。なので耳コピで覚えていくのが基本スタイルです。

アイルランドなどでは教える際は

  • 先生が短いフレーズを吹く
  • 生徒が繰り返す
  • 先生が同じフレーズをまた吹く
  • 生徒が繰り返す
  • できたら次に行く

という感じに見て・聴いて覚えるという、職人の世界でよくある「盗んで覚えろスタイル」で進んでいくそうです。

 

曲ごとに基本はあるのですが、地域や人ごとにノリやグルーヴが違ってくるので「他の場所で演奏された同じ曲を聴いたらなんか全然違う!」なんてこともあるでしょう。

ありがたいことに、現在はyoutubeなどの動画サイトには色々な方の演奏動画が上がっています。同じ曲の色々な動画を見ればおおよその形が見えてくるはずです。

 

基本的にアイルランド伝統音楽を演奏するときには全ての楽器が同じ旋律を演奏します。ですので、場合によってはフィドルなどの方が耳コピがやりやすいかもしれません。

全ての楽器で同じ旋律を演奏するということは、フィドルやイリアン・パイプスやアコーディオンなどで演奏したくても高くて買えない……そんな時には、ティンホイッスルから始めてみるのもお勧めです。

 

4. 同種の楽器                         

 

ティンホイッスルには音程が低いロー・ホイッスルという物があります。

ティンホイッスルD管より1オクターブ下の音が出るものがローD管です。運指は同じです。

 

5. 最後に                         

 

アイルランドでは子供が最初に手にする楽器というくらい基本的なものですので、子供からお年寄りまで様々な方が親しんでいます。

お手ごろ価格でテクニックしだいで穏やかな癒しのメロディーから、激しくノリノリなダンスミュージックまでこの笛1本あればいつでも楽しめます!

 

まずは、ティンホイッスルを始めてみましょう!!

 

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