ローホイッスルとは
ローホイッスル(Low Whistle)はティンホイッスルが変化した物で、運指は同じです。
ティンホイッスルより低い音が出てサイズは大型化しました。指孔の幅も広くなっているので手の小さい人は厳しいかもしれません。
かなり時間が必要ですが、海外の職人とやりとり出来るだけの言語能力があれば調整した物の購入が可能です。
日本でも製作されている方もいますので、そちらを頼るのもお勧めです。
1. ローホイッスルの構造
指穴は6つしかなく、息を吹き込むだけでリコーダーの用に簡単に音を出すことができます。しかもリコーダーよりも簡単な運指(指の使い方)です。少し練習すれば簡単な曲であればすぐに吹くことができるでしょう。
弱く吹くと低い音が出て、強く吹くと1オクターブ上の高い音が出ます。出せる音域は低い音から数えて約2オクターブ半で、それ以上は演奏には耐えられないレベルの音になります。 ローホイッスルはティンホイッスルより大型です。その為強めに息を吹き込まないと音が上手く出せず、特に高音はかなりの息の強さを必要とします。
風にも弱く、オクターブを上げる際に少々技術を要します。練習あるのみです。
吹き口と歌口がついている頭部管と指穴が開いている管体が存在しており、それぞれが別パーツになっているものと両方が繋がっているものがあります。
1-1 調(キー)
ローホイッスルにも様々なキーが存在します。
ティンホイッスルとは音域が違いますので区別するために、DのキーならローD管、GのキーならローG管といった感じ「ロー…管」と呼びます。
アイルランド伝統音楽では基本的にローD管を買えばほとんどの曲が演奏可能です。
ローホイッスルは移調楽器(運指そのままで持ち替えるだけで別のキーの同じ曲が吹ける)なので もしローD管で演奏できない曲が吹きたくなったら、別のキーのローホイッスルを買いましょう!
1-2 チューニング
楽器を調律して音程を合わせる事をチューニングと呼びます。
一部のローホイッスルを除いて、基本的にチューニングはできません。ティンホイッスルよりはローホイッスルの方がチューニングが可能なものが多いです。
しかし、頭部管と管体が接着剤で取り付けられている物については改造することによってチューニング可能にできるものがあります。
チューニングスライドがついているものは少し値段も高くなる傾向があります。
1-3 材質
ローホイッスルには様々な素材で作られた物があります。
金属やプラスチックや木などがありますが多いのは
- ニッケル
- アルミニウム
- 真鍮(しんちゅう)
- プラスチック
これらが特に多いです。
ローホイッスルはティンホイッスルに比べて高額です。
始めて買う場合は素材による音の変化をYouTubeなどの動画サイトで確認してから買うのがオススメです。
2.価格について
ティンホイッスルより高額で、基本的に1万円台からです。3~4万円出せばプロが好く使っている高品質なものが手に入ります。
大量生産のものでも1万円程度しますので、ケルト系音楽初心者の方には相当のこだわりが無い限りティンホイッスルで練習してから購入することをオススメします。
職人の手作り品は3~4万円ほどです。ティンホイッスルと同じ職人が製作していることも多いので、生産速度はティンホイッスルより少なめです。
なので新品が欲しい場合すぐに手に入らないこともあります。中古品に抵抗が無ければ中古品を探すのも手です。
3.伝統音楽の練習
アイルランド伝統音楽は口承で伝わってきたので基本的に楽譜がありません。なので耳コピで覚えていくのが基本スタイルです。
アイルランドなどでは教える際は
- 先生が短いフレーズを吹く
- 生徒が繰り返す
- 先生が同じフレーズをまた吹く
- 生徒が繰り返す
- できたら次に行く
という感じに見て・聴いて覚えるという、職人の世界でよくある「見て覚えろスタイル」で進んでいくそうです。
曲ごとに基本はあるのですが、地域や人ごとにノリやグルーヴが違ってくるので「他の場所で演奏された同じ曲を聴いたらなんか全然違う!」なんてこともあるでしょう。
ありがたいことに、現在はyoutubeなどの動画サイトには色々な方の演奏動画が上がっています。同じ曲の色々な動画を見ればおおよその形が見えてくるはずです。
基本的にアイルランド伝統音楽を演奏するときには全ての楽器が同じ旋律を演奏します。ですので、場合によってはフィドルなどの方が耳コピがやりやすいかもしれません。
4.同種の楽器
ローホイッスルはティンホイッスルの低音版です。
音域帯が同じものに、アイリッシュ・フルートがあります。基本的に運指は同じですがフルートなので横笛です。
5.最後に
ティンホイッスルに慣れてきたのなら、演奏の幅を広げるためにローホイッスルの購入を検討してみてください。
ティンホイッスルとはまた違った音色に、ますます音楽が好きになるはずです。
ローホイッスルを始めてみよう!