TonyDixon(トニーディクソン)の頭部管付け替え可能モデルでアイリッシュ・ピッコロ(以下ピッコロという)とホイッスルの両方の頭部管がついてます。
ついでに横笛も体験したい方や、将来的にアイリッシュフルートにも手を出そうとしている人は、このセットから始めるのも良いのではないでしょうか。
それぞれ単体でも売ってるけど、チューニングできるモデルと一体型のモデルがあるので、買い間違えに注意しよう。
頭部管付け替え式デュオ・モデルを詳しく見てみた!
詳しく見る前に、まずは総合評価をチェック!
入手しやすさ | |
演奏能力 | |
音程 | |
本体の強度 | |
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おすすめ度 |
入手しやすさ・・・まれに街の楽器屋で見かけることもあるし、色々なネットショップで買える。特にAmazonではディクソンが販売しているので、在庫があればすぐに買える。
演奏能力・・・音域の幅はちょいと狭めな印象。強めに吹いちゃうとすぐ高音域に突入してしまう。強弱をつけるのが少し苦手なので、しばらく使ってクセをつかもう!
音程・・・同社の金属製の物よりバランスが良い(完璧ではない)。なので他の楽器と合わせる時に多少都合がいいかと。
本体の強度・・・樹脂製なのでかなり軽い。金属製のホイッスルより厚みがあり、ちょっとぶつけたくらいではへこんだりはしない点はありがたい。紫外線にはあまり強くないので、日光が当たる窓際などには長時間置かないようにしよう。
品質・・・変なバリなどもなく状態は良好。僕が手に入れた物には指穴周りのちょっとした傷と、ホイッスル最下部の調の刻印の「D」の文字が斜めにずれてた。
おすすめ度・・・品質は良い感じ。ピッコロ頭部管がセットなので、横笛系にも興味がある人は購入してみてもいいけど、ピッコロに関してはアンブシュア(楽器を吹く時の口の形)ができないと何の音もならないから挫折しないように。どんなもんかちょっと知る程度にはいいとは思う。ティンホイッスル目当てで買うなら、このセットではなくティンホイッスル単体で売ってるのでそっちを買おう。
デュオ・モデルの構造
ホイッスルとピッコロの頭部管がセットになってるので、付け替えることにより両方楽しめてしまうという、欲張りセット。
どちらか片方しか必要ない人は、それぞれ単体でも販売しているのでそちらを買った方が安い。
材質はABS樹脂製(プラスチックの一種)で、頭部管が外せるのでチューニング可能。
良い点
まずは使っていて良かった点からざっと見ていきましょう。
プラスチックなのでサビ無い!
僕が金属製のホイッスルを使っている時に一番気になる事・・・それは、管体のサビ。
特に指穴周りが気になる!すぐに色が変わってまうがな!
でもこのホイッスル、なんと全体がプラスチックなので、サビとは無縁!
いやーありがたい!
しかも色が黒なので、キズや汚れも目立たない・・・最強か?
丸洗いも気にせずガンガンできるので、日々のメンテナンスも楽々。
でも洗ったら内側の水分はしっかりと拭いてくれよな!
雑音の少ないキレイな音
音に雑音が少なく、キレイな音が出ます。
でもこの音色が「リコーダーっぽくてあまり好きじゃない」って言う人も一定割合います。
高音を吹くのがちょっと楽!
同じ低価格帯の量産品であるWaltonsやFeadogなどよりも、高音域を出すのに必要な息の量が控えめ。
長時間練習したいときや、長い曲や激しい曲を練習する時に使えば、疲れにくくて良い。
呼吸気管が弱い方などでも、このホイッスルなら比較的楽に吹ける可能性あり。
控えめな音量(良い意味で)
演奏に必要な息の量が控えめなので、出る音量も控えめ。
音が軽く、音量が控えめだから家で使うのに重宝してます。
低価格帯ホイッスルに楽器としての精度をちょい足し
他の低価格帯のホイッスルと比べるとちょいと値段は上がりますが、その分クオリティが上昇してます。
- 個体差のばらつきが少ない
- 雑音が少ないキレイな音色
- 音程が良好
といった感じで、楽器としての完成度が高くなった。
悪い点・気になる点
次は悪い点や気になる点を見ていきましょう。
なぜか複数のネットショップで表記が違う材質
特に海外のショップに多いのですが、インターネットで検索して商品を探していると、材質がABS樹脂製であったりPVC製であったり、ネットで販売している様々なサイトにより説明が違ってます。
ABSとPVCは両方とも合成樹脂プラスチックですが、耐熱性(たいねつせい)や対候性(たいこうせい)などにちょっと違いがあります。
PVCは65℃から85℃ほどで軟化するのに対し、ABSは70℃から100℃ほどで軟化します。
そして対候性っていうのは、気候の変化にどれだけ強いかということです。PVCは変化に強いですが、ABSは直射日光に長時間さらされると劣化しやすいです。
でも配合比率などによっても樹脂の性能は変わってくるんで、「絶対にこうなんだ!」とは言えないっす。
しかし、公式サイトを確認する限りABS樹脂製のようです。トニー・ディクソンの企業努力の一つとして、ホイッスルのマイナーチェンジを繰り返し品質向上に努めているので、過去に製造していた時はPVCで製造していたなどあるかもしれませんが、よく分からぬ・・・。
とりあえず、どっちもプラスチックだって言う事には変わりはねぇ‼
息の許容範囲が狭い
ティンホイッスルは息の強弱で高音と低音を使い分けます。しかしこのホイッスルは高音と低音の間の息の許容範囲がほかのホイッスルより狭いんですよ。
なので息の吐く量に気を付けて演奏しないと、出したい音から外れやすい。
速い曲を演奏する時や、高音と低音を行き来しまくるような難易度の高い曲をやるときは、より注意しながら演奏しましょう。
控えめな音量(悪い意味で)
演奏するのに必要な息の量が控えめなのはいいことですが、同時に音量も控えめです。
大声を出すにはたっぷり息を吐かないといけないのと同じことで、まぁ当然のこと。
少人数なら大丈夫だけど、多人数セッションでは音が埋もれがちになるかも。
最後に
僕がこのティンホイッスルを買って最高に良かったこと、それはサビなどによる見た目の劣化が気にならないという事です。
真鍮製のホイッスルだと、WaltonsのMellow のように腐食防止にメッキ処理などがされていない限り、手入れしてても見た目が劣化するし、金属の匂いも気になったりします。
ざっと水洗いするだけでもある程度のメンテができるのは、プラスチック製品の良いところですね!
音色に関しては、リコーダーみたいでティンホイッスルっていう感じが薄い、とか言われたりするみたいだけど、僕はそこまで気にならなかった。
僕が小・中学校時代にリコーダーをまともに演奏出来なかったから、記憶が薄れてるだけかもしれませんが・・・。
僕の耳が狂って無ければ、普通にクリアで優しい音色でした。
品質良し・音程良しというだけでもオススメしたいホイッスルですが、メンテナンスが楽々だという点がこのホイッスルは初めての方にもおすすめの一本。
セットだと値段が高い!ピッコロはいらねぇ!っていう人はティンホイッスル単品も売ってるのでそっちにしましょう。